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紙の知識
2021/03/26

今さら聞けない「紙の寸法」の話

hamaguchi
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二つの四六判

先日、あるブックデザイナーから質問を受けました。「書籍の四六判と紙の四六判ってどう違うのですか?」           
恥ずかしながら即答出来ませんでした。私たち紙業界にたずさわる人間が何気に使っている「四六判」は出版業界でも使われています。紙の四六判(788x1091)から32面(64頁)とれる寸法(127x188)が書籍寸法の四六判となります。同様に書籍サイズの菊判(150x220)は紙の菊判(636x939)から16面(32頁)をとれる寸法です。

本の判型 寸法mm 本の種類 原紙
(1枚の原紙から取れるページ数)
B4判 257×364 大きな画集・グラフ雑誌など B列本判(16) 四六判(16)
A4判 210×297 写真集・美術全集など A列本判(16) 菊判(16)
B5判 182×257 週刊誌・一般雑誌など B列本判(32) 四六判(32)
A5判 148×210 学術書・文芸雑誌・総合雑誌・教科書など A列本判(32) 菊判(32)
B6判 128×182 単行本など B列本判(64) 四六判(64)
A6判 105×148 文庫本 A列本判(64) 菊判(64)
菊判※ 150×220 単行本など 菊判(32)
四六判※ 127×188 単行本など 四六判(64)
AB判※ 210×257 大き目の雑誌など AB判(32)
小B6判 112×174 コンパクト判 トランジスタ判 B列本判(64)
三五判 84×148 地図帳など A列本判(80)
新書判 103×182 新書本・漫画の単行本など B列本判(80)
重箱判 182×206   B列本判(40)
タブロイド判 273×406 夕刊紙など  
ブランケット判 406×546 新聞  
 
       

四六判と菊判

四六判と菊判は、日本独自の規格です。その由来は何でしょう。

四六判
室町時代以降、一般庶民にも紙が流通されはじめました。主流の半紙の寸法は1尺一寸x8寸(333x242)でした。しかし大名の中には大きめの半紙を作らせていたところもあり、尾張家の美濃で漉かせた紙は1尺3寸x9寸(393x273)美濃判とよばれていました。明治になり洋紙が輸入されるようになり、イギリスの紙の規格クラウン判は美濃判の約8倍の大きさで大八ツ判と呼ばれ親しまれてきました。この紙を4x8で断裁すると、横4寸2分、縦6寸1分の本になることから、この判型の本を四六判というようになり、ここから転じて原紙の名称も四六判となりました。

菊判
ドイツから輸入された紙(700x1000)が原型である説と、新聞用紙として米国から輸入した紙の通称である説がります。名称も新聞の「聞く」が「菊」になった説と商標のダリアが菊に似ていたからという説がありますが、後に新聞用紙以外の印刷にも使用されるようになり、いつしか菊判として日本独自の規格として定着しました。

日本工業規格(JIS)と国際規格

四六判はB列、菊判はA列が無理なく取れる大きめの寸法です。ここで気をつけなければならないのは、A列はJIS=国際規格ですがB列は若干の違いがあります。

<国際規格のB版>

B0:1000x1414㍉
B1:707x1000㍉
B2:500x707㍉
B3:353x500㍉
B4:250x353㍉

<JIS規格のB版>

B0:1030x1456㍉
B1:728x1030㍉
B2:515x728㍉
B3:364x515㍉
B4:257x364㍉

このように同じ名称であっても寸法が同じだったり違ったりします。海外からデータを取り寄せる時は実寸法をしっかりと確かめることが必要です。

 

 

 

 

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