映画「シェルブールの雨傘」にまつわる色の話
hamaguchi
映画「シェルブールの雨傘(1963仏)」をご存知でしょうか?学生時代、名画座で撮影当時19歳のカトリーヌ・ドヌーブの可憐な美貌に胸を焦がした方も多いと思います。
最近、ネット配信で同映画を鑑賞する機会がありました。久ぶりに見ると画面から溢れるヨーロッパの色彩に圧倒されました。。ジャックドゥミ監督は、この映画が初カラー作品ですが、タイトルバックでも緻密に設計された色彩の組み合わせが感じられます。
1960年代を代表するお洒落なフランス映画の色彩とヨーロッパのカラーペーパーの代表格、アルジョ・ウィギンスの商品との色を比較しながら考察していきたいと思います。
今回、色の紹介に使用するのは48色のヨーロピアンカラーとナチュラルな肌合いを持つ「Keay Kolour(キーカラー)」のサンプルボックス。中身はポストカードサイズにカットされたカラーペーパーが詰まっています。残念ながらキーカラーは日本では未発売ですが、サンプルを眺めるだけでも楽しくなります。
ピンクとブルー
映画の舞台は港町シェルブール。そこで傘屋を営む娘、17歳のジュヌヴィエーヴと結婚を誓い合った恋人ギイとの悲恋物語です。傘を雨傘と和訳するところがセンスですね~
映画前半のドミナントカラーはピンク。ピンクの心象効果は「恋愛・幸福・安らぎ・優しさ・甘い」充足した幸福感が演出されています。
ピンクのカーディガンと白いシャツの組み合わせ。フレンチシックな着こなしは、今のお嬢様ファッションの元祖と言えましょう。
同じピンクでも対比する人物、背景の壁紙の色によって見え方は違ってきます。
映画は中盤から後半へ画面の色合いもピンクからブルーへと移ろいます。若く希望に燃えた二人のロマンスも戦争という現実に引き裂かれます。
徴兵で戦地に赴く恋人を駅で見送るヒロインが手にしたブルーのスカーフが印象的です。
青は「さわやか、涼しさ、冷静」という面と「憂鬱、孤独、切なさ」という感情を併せ持つ色合いです。また、17世紀のオランダの画家フェルメールが愛用した青は「ラピスラズリ」という鉱石を精製して創られたウルトラマリンです。
「手紙を読む女」の青は「祈り」が籠められた神々しさを感じます。同じ構図で身ごもったヒロインが窓辺で戦地の恋人からの文を読む場面があります。
ヨーロッパ人が持つ青のイメージは、古くから継承されて来たのかもしれません。
プレゼントのお知らせ
短い紹介でしたが、映画とヨーロピアンカラーの世界を感じていただけたでしょうか?ここでプレゼントのお知らせです。
「キュリアスメタル」と「キーカラー」最新のサンプルボックスを限定10名の方にプレゼントいたします。問い合わせフォームよりご応募お待ちしています。
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