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イベント
2015/12/09

竹尾 見本帖本店「タイピングスケープスーモダニズム以降のレターヘッド」展 

hamaguchi
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会期:2015年12月1日[火]~2016年1月15日[金] 土・日・祝・年末年始(12月29日-1月4日)休

時間:10:00~19:00(1月5日[火]は18時まで)
主催・会場:株式会社 竹尾 見本帖本店2F
ディレクション:永原康史 

 レターヘッドとは、本来レターペーパーの頭部分に、差出人の住所氏名を印刷したことから使われだした言葉である。大企業であれば、ほかにも名刺や封筒なども総合的なデザインプログラムとして制作され、レターヘッドはそれらの総称、あるいは代表として取り扱われる。いわばコミュニケーションのためのメディアで、白紙状態で見たときの美しさが求められるばかりか、差出人がそこに文章をタイピングすることで最終的にデザインが完成するというほかに類を見ない特徴がある。
 レターヘッドは差出人の人生をも象徴するアイデンティティであり、制作するデザイナーはそれだけの重みを受け止めて、コミュニケーション・メディアとしての機能を最大限に引き出す努力を傾けてきた。インターネットが普及した今こそ、改めてレターヘッドがもつメディア価値にスポットライトが当てられるべきではないだろうか。~五十嵐威暢「Takeo Desk Diary 2016序文より」~

この序文は会場内にあるバナーに掲げられています。

ドイツの総合造形学校バウハウス・デッサウ校(1925-1932)のレターヘッドを模したバナーです。

タイピングスケープス2.jpg
会場の一角に展示されたオリベッティ社(伊)のタイプライター。1908年に設立した同社のタイプライターは、レターヘッドを世界的に普及させた立役者のひとつです。 


ここに展示されるレターヘッドは、五十嵐威暢氏(アーティスト/デザイナー)のコレクションからの選りすぐりです。ヘルベルト・バイヤーデザインのバウハウス・デッサウ校、ニュータイポグラフィーを提唱し時代の寵児であったヤン・チヒョルト自身のレターヘッドなど1920年代の名品はもとより、ポール・ランド、ソール・バスといった戦後アメリカを代表するデザイナー達の企業や個人の誇りが宿っているものから、そのあとに続くペンタグラム、ブッシュピン・スタジオ、ウッディー・パートル、ハリー・マーフィーといった作り手のあそび心に満ちたものまで、レターヘッドの数々が展示されています。

良いデザイン+良い加工+良い紙、三位一体の法則は昔も今も変わりません。

ヤマトがビジネスステーショナリーという位置づけで英国ウィギンスティープ社(現アルジョ・ウィギンス社)「コンケラー」を取り扱い始めたのは、1980年代初頭です。当時、CIブームの追い風もあって「企業の顔であるレターヘッドにはファインペーパーを使いましょう」という提唱に多くのデザイナーや企業の賛同を得たのを覚えています。

「大切なメッセージは伝え方も大切にしたい。」そんな先人たち想いが伝わってくる展示会です。年末年始のひと時に足を向けてみては、いかがでしょう。



 

 

 

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