2020年 本屋大賞
hamaguchi
タイトル:流浪の月(るろうのつき)
著者:凪良(なぎら)ゆう
装丁:鈴木久美
発行:東京創元社
第17回 本屋大賞
本のプロが選ぶ本「第17回 本屋大賞」が4月7日(火)、発表されました。ストーリーの面白さもさることながら、ブックデザインもおしゃれでおいしそうな紙使いです。今回は「流浪の月」を紙視点で味わいたいと思います。
カバー
用紙:OKトップコート 四六判横目 135kg
おいしそうなイチゴ味と思しきアイスクリームとアンティーク食器の写真。本編とのつながりを連想させます。グロスPPが貼られるとA2コートはキャストコートなみのグロス感が出ます。
表紙
用紙:NTラシャ 鼠 四六判横目 170kg
本の表紙はカバーに隠れて忘れられがちですが、外すと意外な発見も隠されています。「流浪の月」を英語で「The Wandering Moon」と訳されると孤独感がひしひしと伝わってきます。
紙の色と同系の特色インキとホワイトの色使いがおぼろげな月を表すデザインのように思います。
フランス綴じで丁寧に折り込まれた表紙は最厚部分で4枚分の紙が重なって、その厚みは1.2㍉にもなり1枚では頼りない紙もしっかりとした張りと腰が出ています。
見返し
用紙:モフル ショコラ 四六判横目 90kg
「味わいが感じられて、ちゃんとハリのある紙にしたい!」モフル開発時に携わられた装丁家 鈴木久美さんのコメントです。細かな心理が描かれる本編が食感と内臓に伝わるような紙の選択ではないでしょうか。
表紙との色のバランスも絶妙です。
扉
用紙:ポルカレイド トウフ 四六判横目 90kg
現実から物語の世界への入り口が扉です。よく見るとカラフルな色粒がチリばめられているポルカレイド。こちらもなんかおいしそうです!
帯
用紙:OKミューズガリバーグロスCoC ホワイト 菊判横目 76.5kg
今回は大賞受賞のインパクトをより鮮明に伝えるため発色の良い「OKミューズガリバーグロスCoC」が使われていますが、受賞以前は扉と同じく「ポルカレイド」色はメレンゲが採用されていました。
帯の裏側に各書店の本のプロたちからの感想が寄せられています。こちらを読むだけでも本編が読みたくなりますね。ネットでの購入も便利ですが本のプロたちが薦めてくれる本を書店で購入したい本好きの読者も大勢います。大変な状況下ですが共にサバイバルいたしましょう!
少しネタバレかもしれませんが一気に読ませ、最後読み終わったらもう一度最初の章を読み返したくなる物語です。家にいる時間が多くなる昨今、是非読んでもらいたい一冊です。
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